単語帳は何周もした。ページを開けば、見覚えのある単語ばかり。それなのに、過去問の長文では、意味を思い出すまでに数秒かかる。
この状態で「もっと難しい単語帳へ進もう」と決めるのは早計です。必要なのは語数の追加ではなく、今の単語を「文中で使える速さ」まで持っていくことかもしれません。
日東駒専の英単語をどこまで覚えるかは、一律の語数だけでは決められません。大学、学部、入試方式、年度によって文章の難度や語彙は変わるためです。
そこでこの記事では、覚えた語数ではなく、50語のランダムテストと長文での読解影響を使います。読み終わるころには、今の単語帳の復習へ戻るか、新しい範囲へ進むかを決められるようにします。
「どこまで」は語数ではなく3段階で決める
英単語の定着には、少なくとも3つの段階があります。
| 段階 | できること | つまずきの例 | 次の判断 |
|---|---|---|---|
| 見覚え | 以前学習した語だと分かる | 意味が出ない | 復習へ戻る |
| 単独再現 | 単語だけなら主な意味と品詞が出る | 文中で別の意味を選べない | 短文と長文で確認する |
| 文中識別 | 文脈に合う意味を素早く選べる | ほかの未知語だけが残る | 過去問から必要語を追加する |
単語帳のページを見れば思い出せる状態は、まだ「単独再現」の手前かもしれません。ページ順、赤シートの位置、日本語訳の並びまで手がかりになっているからです。
反対に、長文のすべての単語を知っている必要もありません。固有名詞や、設問の根拠に影響しない難語は、前後から推測したり、分からないまま進んだりできます。
つまり完成基準は、「全語が分かる」ではなく、「既習の基礎語が読解を止めない」です。この基準なら、必要語数を根拠なく断定せずに、自分の志望学部の文章に合わせて判断できます。
50語ランダム再現テストで「今の実力」を測る

今の単語帳を続けるか迷ったら、学習済み範囲から50語を無作為に選びます。最後に学習したページだけでなく、前半・中盤・後半から混ぜるのがポイントです。
一語ずつ英語を見て、結果を次の3つに分けます。
- 即答: 数秒以内に主な意味と品詞が出た
- 迷い: 意味は出たが、時間がかかった、または品詞が曖昧だった
- 不明: 見覚えだけで意味を出せなかった
ここで「迷い」を正解に入れないことが大切です。長文では、一語に5秒迷うだけでも、それが繰り返されると文全体のつながりを保ちにくくなります。テストは「知っている語数」ではなく、「読解中に取り出せる語数」を測るために行います。
たとえば50語中、即答34語、迷い11語、不明5語だったとします。この場合、「45語は分かった」と解釈するのではなく、復習対象が16語あると考えます。その16語を短い間隔で取り出す練習に回すと、次に何をすべきかが明確になります。
間違えた単語は「覚え直す」前に原因を分ける
迷いと不明を全部同じ方法で復習すると、勉強時間が増えるわりに改善点が見えにくくなります。次の4タイプに分けてください。
意味そのものが出ない
英語を見ても主な意味が出ない単語は、まず英語から日本語を取り出す練習へ戻します。一度に例文や派生語まで完璧にしようとせず、まずは主要な意味を短い間隔で何度か取り出します。
似た単語と混同する
形や意味が似た単語を間違える場合は、一語だけを見直すより、混同した相手と横に並べます。「どこが違うか」を一行で言えるようにすると、次の取り違えが減りやすくなります。
品詞を見誤る
日本語の意味は合っていても、名詞・動詞・形容詞などの役割を判断できなければ、文の構造を取り違えます。このタイプは、単語と品詞のセットで見直し、短文の中で位置を確認します。
文中で意味を選べない
単独では意味が出るのに、文の中でどの意味か決められない場合は、単語帳だけでは解決しにくい問題です。該当文に戻り、前後の語、品詞、文の主題のどれが意味を決めたかを一つだけ書き残します。
この原因分けは、[英文法の3色誤答カルテ](/nittokomasen-eibunpo-study/)や[英文解釈の3文テスト](/nittokomasen-eibunkaishaku-needed/)で使う分類とは役割が違います。ここで見るのは、あくまで「その単語をどの練習に戻すか」です。
長文から単語帳へ戻すときは読解影響を付ける

単語帳のテストだけでは、実際の読解を止めたかどうかは分かりません。基礎範囲を一通り学習したら、志望学部の過去問やそれに近い長文で、既習語がどう出てくるかを確認します。
長文で止まった単語には、次のいずれかのタグを付けます。
| タグ | 状態 | 戻り先 |
|---|---|---|
| A | 単語帳にあるのに意味が出なかった | 単語帳の迷い・不明リスト |
| B | 意味は知っていたが文中で決められなかった | 該当文と品詞メモ |
| C | 未知語だが設問の根拠に影響した | 追加語彙リスト |
| D | 未知語だが推測でき、設問に影響しなかった | 原則として後回し |
見つけた未知語をすべてノートに転記するのではなく、AとBを最優先にします。この2つは、新しい単語帳を始める前に、今の学習で回収できる可能性が高い失点だからです。
単語以外の原因も混ざっているなら、この記事で文法や構文解釈まで広げず、[日東駒専の英語長文が読めない原因](/nittokomasen-eigo-chobun-yomenai/)で停滞箇所を分けてください。本記事の役割は、その中の「単語に戻すべき失点」を扱うことです。
新範囲へ進むかは7日後の再測定で決める
一度の50語テストだけでは、その日の集中力や、直前に見た単語の影響を受けます。そこで1週間、迷いと不明だけを復習し、7日後に順番を変えて再測定します。
毎日の学習は、次のように絞れます。
- 前日の迷い・不明を英語側からテストする
- 正解しても時間がかかった語は残す
- 混同した語だけ横並びで違いを確認する
- 短い長文でA・Bタグの既習語を拾う
- 7日後に別の並びで50語を測る
新範囲へ進むかどうかは、即答の割合だけではなく、次の2点を組み合わせて判断します。
- ランダムテストの即答が前回より増えたか
- 長文で読解を止めたA・Bタグの既習語が減ったか
両方が改善しているなら、現在の単語帳で新範囲へ進みつつ、迷い語の復習を残します。即答は増えたのにA・Bが減らないなら、短文や長文の中で品詞と意味を選ぶ練習が不足しています。即答自体が増えないなら、新範囲を一旦狭め、復習間隔を短くします。
科目全体の参考書の順番や、英語にどれくらい時間を使うかまで見直す場合は、[塾なしで日東駒専を目指す参考書ルート](/jukennashi-nittokomasen-sankosho-route/)へ論点を分けます。ここでは、単語帳を増やすかどうかの判断だけに集中してください。
時間が足りないときは「未知語」より「止めた既習語」を優先する
受験までの時間が限られてくると、過去問で見つけた未知語をすべて覚えないと不安になります。しかし、未知語の追加に時間を使いすぎると、既習語の迷いが残ったままになります。
優先順位は、次の順で考えます。
- 単語帳にあるのに思い出せなかった語
- 意味は知っていたが、設問の根拠文で誤読した語
- 過去問で繰り返し現れ、読解や設問に影響した未知語
- 一度しか出ず、前後から推測できた難語
この順番なら、「志望学部の長文で失点につながったか」を基準にできます。単語帳の後ろのページまで終わらせること自体を目標にせず、失点を減らすために学習範囲を絞ります。
なお、実際の出題語彙や難度は大学・学部・方式・年度で異なります。必要語数を一律に決めず、最新の募集要項と志望学部の過去問を人間の目で確認してください。
よくある質問
単語帳は何周すれば完成ですか?
周回数だけでは完成を判断できません。同じ3周でも、ページを見て答えを読んだ3周と、順番を変えて取り出した3周では練習の中身が違います。50語テストの即答と、長文のA・Bタグの減少で判断してください。
書いて覚えたほうがいいですか?
書くことで混同を防げる語や、スペルを正確に再現する必要がある語には役立ちます。ただし、全語を同じ回数ずつ書くと、即答テストに使える時間が減ります。書くかどうかも、間違えの原因で決めましょう。
長文を始めたら単語帳はやめてもいいですか?
やめる必要はありません。単語帳は短時間で既習語を測る道具、長文は文中で使えるかを確認する道具として役割を分けます。長文でA・Bタグが付いた語を、次の単語帳学習に戻すと往復ができます。
まとめ:今日は新しい単語帳を探す前に50語を測る
日東駒専の英単語をどこまで覚えるかは、一律の語数や周回数ではなく、自分の志望学部の長文で基礎語が読解を止めていないかで判断します。
今日やることは一つです。学習済み範囲から50語を無作為に選び、即答・迷い・不明に分けてください。迷いと不明を1週間復習し、7日後に順番を変えて再測定します。
その数字と、長文で読解を止めたA・Bタグの数が、復習に戻るか、新範囲へ進むかを決める材料になります。


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